会長挨拶

            春日 敏宏
Toshihiro KASUGA
(名古屋工業大学教授)

令和4年総会より第15代会長を拝命し、役員名簿にあります体制で活動させていただいております。令和5年度副会長には橋本和明先生(千葉工業大学)と高橋堅太様(下関三井化学)にご就任いただいております。前会長 中山尋量先生(神戸薬科大学)には常務理事として引き続き学会運営にお力添えを賜っているところでございます。また、名誉会長 山下仁大先生、顧問の先生方には多方面からのご意見を頂戴しており、本年度も何卒よろしくお願いいたします。

本学会は無機リン化学研究会設立から令和8年(2026年)で40周年を迎えます。これまで、幅広く無機リン化学に関する学術と技術が議論されてきました。基礎科学を基盤に機能材料開発が進められており、時流に乗った無機リン化学研究が進められていると思います。生体材料、電池材料、触媒、構造材料、環境材料、生活材料、等々の機能創出・高度化へと発展させるプラットホーム的役割を本学会が担っていると思っています。

本学会の規模は小さいですが、むしろそれを活かしてフレキシブルに活動できると思っています。機関誌PHOSPHORUS LETTER(PL)と英文学術論文誌Phosphorus Research Bulletin(PRB)の発行、無機リン化学討論会の開催が主たる活動の柱ですが、これらを活用して、とくに次世代を担う研究者の育成と産官学連携に力を入れていくことは本学会の重要な責務です。それを念頭に置いた新たな働きかけのひとつは、本年度の理事会(令和5年9月20日)で承認いただきました「未来賞」の創設です。無機リン化学の学術・技術の発展に意欲的に取り組まれている研究者・技術者の方に受賞いただきたいというもので、優れた業績をあげていることに加え、とくに産学官連携を見据えて本分野の一層の発展に継続的な貢献を期待しています。会員歴や年齢は問わず、産学官より広く自己推薦形式で募集します。是非申請をお願いします(詳細についてはPL誌109号で公示予定です)。

個人会員の研究者・技術者が交流して新たな無機リン化学連携態勢のきっかけとなるような場作りも学会の役割だと思います。長らく延期となっていました11th International Symposium on Inorganic Phosphate Materials(ISIPM 11)も、2023年11月に対面式で開催されました。ようやく本来の活動ができるようになってきました。

皆様の御協力を賜り、日本無機リン化学会の活動に微力ながら貢献させていただきたく存じます。よろしくお願い申し上げます。