会長挨拶

2017.2chair板谷清司
Kiyoshi ITATANI
(上智大学教授)

日本無機リン化学会は,リンを含む無機物質およびそれに関係する物質または関連現象に関する科学および技術の発展と利用を支援していくことを目的として活動をしています。リン酸塩は,肥料,洗剤,歯磨き粉など私たちの生活の
中で使われている製品から,食品添加物,難燃剤,清缶剤,排水処理剤など生活を陰で支えている製品まで,幅広く利用されています。無機リンに関わる研
究は,ガラスや肥料などに関する研究から始まり,現在では生体材料,触媒,顔料,電池材料などの種々の機能材料の開発や,有機化合物のリン酸化,無機‐有機複合体の合成と物性,リン資源回収の研究など,基礎的および応用的な研究が行われています。このような広範囲な用途がある無機リンに
関する研究を専門的に取り組んでいる学会が日本無機リン化学会です。

日本無機リン化学会は,中部化学関係学協会支部連合秋季大会「リン酸および
リン酸塩」セッション(第1回無機リン化学討論会(1973年)),およびその
後に設けられた無機リン化学研究者懇話会を母体にしています。1986年には,
本学会の前身である無機リン化学研究会が設立され,1991年には日本無機リン
化学会に名称が変更されて現在に至っています。日本無機リン化学会では,
PHOSPHORUS LETTERPhosphorus Research Bulletinの発行のほか,
International Symposium on Inorganic Phosphate MaterialsISIPM)や
③無機リン化学討論会の開催を3本の柱にして活動を行っています。会員数は,
個人会員,学生会員あわせて160名程度の小さな学会ですが,無機リンの専門
家集団として活発な活動を続けています。

日本無機リン化学会は,2016年に創立30周年を迎えました。30周年記念事業と
して,国際会議(ISIPM9)を首都大学東京で開催し,さらに無機リン化学に関
わる「無機リン化学の基礎と応用(仮)」の出版の準備を進めています。次の
40周年にむけて,無機リンに関わる学会活動を通じて社会に一層の貢献をしてい
きたいと思います。日本無機リン化学会を更に活力に満ちた学会にしていくため,
皆様のご指導・ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。